~注意すべき過度の走り込み
シンスプリントは、下腿の脛骨内側に付着する「下腿三頭筋」のうち内側ヒラメ筋の付着部分の炎症です。
『シンスプリント』は、スポーツ障害の中でも代表的なもので、そして、この『シンスプリント』は当院にとってとても思い入れのあるスポーツ障害でもあります。
私はかつて、道立O高校のバスケットボール部のトレーナーを8年ほど勤めました。
全国でもベスト8になった強豪校で、その8年間のうちに道内では5回も優勝し、準優勝は3回、インターハイで全国大会に8年連続出場を果たしました。
レギュラー部員達はほぼ毎日練習が終わると整骨院に治療に来ていました。
部のモットーは、「走ること」でした。それが練習の基本だったのです。まず相当量走ってから次にボールを持っての練習になるのですが、そこでも大変な量を『走る』わけですから、当然選手たちの脚への負担はかなりのものになります。
そんな脚を酷使する部でしたので、『シンスプリント』の選手がとても多かったと記憶しております。そこで私も週末には選手の様子を見に、練習に足を運び、また試合には泊まり込みで同行し、選手のケアをして、「どうしてシンスプリントが発生するのか」を、また「どのような治療が効果的か」を選手と一緒になって勉強させて貰いました。
そして8年連続全国大会出場。これはまさに快挙で、トレーナー冥利に尽きました。
症 状
下腿(すね)の内側の圧痛、運動時痛、腫脹が主。
痛みは脛骨(すね)の内側のライン下方1/3に出るのが特徴です。
痛みは脛骨に沿って疼く様な鈍痛で、ある一点に集中せず筋肉が骨に付着するラインに沿って起こります。
症状の程度は、
ステージ1 痛みはあるが、ウォームアップで消失。
ステージ2 ウォームアップで消失した痛みが、スポーツ活動終了時に痛みだす。
ステージ3 日常生活では支障は無いが、スポーツ活動中、常に痛む。
ステージ4 局所の痛みは常に存在して日常生活に支障が出る。
検 査
骨膜の炎症なので、レントゲンで変化が確認出来ないのが一般的です。
症状が進みレントゲンで骨変化が出てきたら「疲労骨折」と診断されます。
「骨変化」も痛みを訴えてから1ヶ月位では変化は現れにくいものです。
治 療
温める―練習をしていない時。
冷やす―来院前にスポーツをしてきた場合。 安静時にも痛みが強い場合。